時間：2025年8月20日

120年以上継承されてきた永遠のアイコン・ウォッチ｜サントス ドゥ カルティエ

ケースはやはりトレンドの小径か。ブレスレットか、ストラップか、文字盤は定番の黒白青か中間色か、機械式ムーブメントは魅力的だがクォーツの精度と利便性も見逃せない。より柔軟・自由な”新基準＝ニュースタンダード”によって、今の自分にふさわしい一本を選びたい。時計選びに悩んだときはENGINE時計委員のコメントをご参考に！

「サントス」は、20世紀初頭にブラジルの飛行士アルベルト・サントス=デュモンのために3代目当主ルイ・カルティエが作ったとされる伝説の腕時計に由来。ビスを配した四角いベゼルを乗せた角型ケースにストラップを組み合わせたその特徴的なデザインが、実用的な腕時計の原点となったことでも有名だ。

タイムレスなクラシックの最新作は、縦34.5mm×横27mmのスモールモデル。ケース厚7.08mmとスリムで、軽快なフィット感を生む。ステンレススティールにイエローゴールドを組み合わせたこのコンビモデルは、スティール製ブレスレットの他にダークブルーのカーフストラップが付属し、インターチェンジャブルシステムで交換が容易にできる。

120年以上も前に誕生した時計とはまるで思えないほど、モダンで洗練された趣を漂わせる「サントス」コレクション。今年発売されたばかりの「サントス ドゥ カルティエ」は、1904年製の歴史的なオリジナルを彷彿とさせるスモールモデルとなっている。

女性専用として登場したのではなく、あくまでジェンダーレス。むしろ今、男性がこのサイズをさらりと着けるのがすごくカッコいいのだ。しかも今回はムーブメントがクォーツ。薄いし、正確だし、クォーツの実用性はもっと見直されてもいいんじゃないかと思う。とにかく、トレンドがぐるっと回って小顔サイズの時計が魅力的になってきている今、この波に乗らない手はない。コンビの色使いも、今だからむしろ新鮮に感じる。

20年ほど前、アルベルト・サントス=デュモンの生涯と航空機や時計をテーマにして、フランスとブラジルで取材をしたことがある。カルティエが創作し、彼が着用した通称「サントス」を現地で探し当てたかったのだが、遺品を保管する博物館にも存在せず、行方不明とのことだった。
しかし「サントス」は、20世紀初頭から現在までカルティエの中で生き続けてきた。腕時計の歴史において、アイコニックなデザインを120年にも渡って継承してきたモデルは他にない。男女を問わず着けやすい今年のスモールモデルは、アンティークで見たことがある初期モデルに近いサイズ感。これを実際に手にした時、あの小柄なサントス=デュモンの姿がふとよみがえった。

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